2020-10-24

必要な不必要




 

日々制作に向き合っていると、様々な仲間から様々な声を聞く。


美術は、今時代必要とされてないのではないか?なにを人々に与えることができるのか?

美術に限らず、表現にたずさわっているものは、少なからずこの期間、悩んでいると思う。



特にアートプロジェクト系でもなく、絵画や彫刻といった伝統的な純粋美術は、美術史的なものを踏まえながらも、個人的な問題を扱い始めた時代から、そもそも万人に必要なものではなくなってきている。


ただ皮肉なもので、唯一無二の特別な存在と信じる自分という存在も、結局は多くの人々と同じようなことを感じ、そして悩むもの。

一個人の悩みは、どこかの誰かの悩み。


自らを掘れば掘るほど、他人とつながるという不思議。


思っていたよりも人間の心は、アナログなものを必要としていることを、多くの人が感じるこの時、

表現は救いの形として私にはあるように思う。

2020-07-06

鼻でみている



マスクマスクのご時世で、マスクをはずして絵も観れない。

ワクチンもない。有効な治療薬もない。
そんな中、大変な思いをして働かれている医療従事者の方。
ましてや亡くなっている方もいらっしゃるのだから、絵画ごときが、そう文句を言うような場合ではないのだが。。。



マスクマスクの毎日で。
ふと、気づいたことがある。
どうも人は、鼻でも、絵をみているようだ。


マスクをしていると、どうもマチエールに対する触感と、色味が私はみえずらい。

視覚は結局、光なのだから、穴をふさげば見づらくなるのは当たり前なのかもしれない。
誰か同じように感じている方は?


…そんなマスクマスクで気づいた、私のちょっとした話。

2019-11-17

個展「The only one」展

成城学園前にあるThe Little Gallery Seijoでの個展「The only one」展は無事に終了しました。

お越しいただいた皆様。
SNSにて発信いただいた皆様。

全ての方に、深く御礼申し上げます。









2019-11-15

100年後の未来に



絵描き仲間でもよく話に出るのは、みな100年後の未来へ向けて描いているという話。
絵描きはいつでも、最低100年後の未来へと作品を遺す気概を持って制作している。




『THE STUDIO』(ザ・ストゥディオ)という美術雑誌がある。

19世紀末にイギリスで創刊された純粋美術からデザインまで、美術の広範なジャンルをカバーした現在となっては大変貴重な資料。

一度私は、この資料に触れる機会があり、100年前の美術雑誌を状態確認のため、実際に中を開くこととなった。その経験は、私にとって大変貴重なもので、100年後の未来から見た現在は、こんな風に見えるということを、ヒシヒシと実感できる体験だった。




1893年から始まる『THE STUDIO』では、印象派の画家たちも現役だ。




状態をチェックする中、ふとページを開き、そこに載った写真を見て私は、
「ルノワールだ。現役の作家だしなぁ…」
と思い、クレジットを見ると、見たことも聞いたこともない作家名である経験は、ルノワールに限らず、数えられないほどであった。


つまり100年後の未来にとって、すぐに誰の作品か?わかるくらいの個性や主張がない限り、全てその作風で100年後に知られている作者の作品に見えるということだ。
恐ろしいことだが、100年という月日とは、そういうこと。




100年後の目を持って、真摯に制作を続けたいものである。