2019-11-17

個展「The only one」展

成城学園前にあるThe Little Gallery Seijoでの個展「The only one」展は無事に終了しました。

お越しいただいた皆様。
SNSにて発信いただいた皆様。

全ての方に、深く御礼申し上げます。









2019-11-15

100年後の未来に



絵描き仲間でもよく話に出るのは、みな100年後の未来へ向けて描いているという話。
絵描きはいつでも、最低100年後の未来へと作品を遺す気概を持って制作している。




『THE STUDIO』(ザ・ストゥディオ)という美術雑誌がある。

19世紀末にイギリスで創刊された純粋美術からデザインまで、美術の広範なジャンルをカバーした現在となっては大変貴重な資料。

一度私は、この資料に触れる機会があり、100年前の美術雑誌を状態確認のため、実際に中を開くこととなった。その経験は、私にとって大変貴重なもので、100年後の未来から見た現在は、こんな風に見えるということを、ヒシヒシと実感できる体験だった。




1893年から始まる『THE STUDIO』では、印象派の画家たちも現役だ。




状態をチェックする中、ふとページを開き、そこに載った写真を見て私は、
「ルノワールだ。現役の作家だしなぁ…」
と思い、クレジットを見ると、見たことも聞いたこともない作家名である経験は、ルノワールに限らず、数えられないほどであった。


つまり100年後の未来にとって、すぐに誰の作品か?わかるくらいの個性や主張がない限り、全てその作風で100年後に知られている作者の作品に見えるということだ。
恐ろしいことだが、100年という月日とは、そういうこと。




100年後の目を持って、真摯に制作を続けたいものである。

2019-11-04

成城っ子



いま私は、小田急線・成城学園前南口、徒歩30秒。
ワインバー、ストンウェルさんの奥にできたギャラリー、the Little Gallery Seijoで、1作品だけの個展をしている。
成城は、私が小学校から高校までを過ごした思い出の地。


母校である成城学園は個展会期中の2日3日と学園祭をしており、久し振りに私は母校を訪ねた。

成城学園は、自由な校風のもと、個性尊重を旗印に、小さな頃から、それぞれの得意なことを認め合い、それぞれの得意なところを伸ばそうという教育。
僕らの頃の初等学校(小学校)は、先生をアダ名で呼び、遊び、散歩、演劇、映像制作、絵画、工芸、彫塑という授業で、一週間のほとんどを自ら考え、創作活動しているような学校だった。

久し振りに行った母校は、中高は一貫校になっていたが、それぞれの得意分野をそれぞれが認め合い過ごしている雰囲気が充満していて、生徒の目がイキイキとしていた。
成城っ子は、同じ方向を向いて競争をするなら、自分の得意なことを見つけて、自分の得意分野で役割を果たすのを好む。

私も、外に出て競争心のなさを何度指摘されたかわからないが、持って生まれた気質と小さな頃からの教育なので仕方がない。



さて学園祭の展示、催し。
特に中高の書道のレベルの高さと、高校のクラス企画での、ジェットコースターとメリーゴーランドを手製で作り、お客さんを楽しませていたことには、本当に驚いた。

「これだよ!これが成城っ子だよ!」出来る出来ないじゃなくて、「こんなのあったら面白いしやろう!」という勢い。
特に、メリーゴーランドの作りとコンセプトワークのレベルが高く、ユルさと完成度は絶妙だった。

卒業生の一人として、彼らが微笑ましく誇らしく感じられた母校訪問だった。


11月8日まで成城で個展開催中。