日々制作に向き合っていると、様々な仲間から様々な声を聞く。
美術は、今時代必要とされてないのではないか?なにを人々に与えることができるのか?
美術に限らず、表現にたずさわっているものは、少なからずこの期間、悩んでいると思う。
特にアートプロジェクト系でもなく、絵画や彫刻といった伝統的な純粋美術は、美術史的なものを踏まえながらも、個人的な問題を扱い始めた時代から、そもそも万人に必要なものではなくなってきている。
ただ皮肉なもので、唯一無二の特別な存在と信じる自分という存在も、結局は多くの人々と同じようなことを感じ、そして悩むもの。
一個人の悩みは、どこかの誰かの悩み。
自らを掘れば掘るほど、他人とつながるという不思議。
思っていたよりも人間の心は、アナログなものを必要としていることを、多くの人が感じるこの時、
表現は救いの形として私にはあるように思う。