長く絵などを描いてくると腰やら首やら、皆どこかしら痛めている人が多い。
私も数年前に、めまいをひどく起こすことがあった。
そのおかげで、尊敬する日本画の先生と話した際には、先生もめまい持ちだったので、たいそう盛り上がった。
日本画は基本、床に寝かせた作品を、ずっと下を向きながら描いているので、案外めまい持ちが多いのかもしれないなぁと、その時、私は感じ入ったりした。
結局私の場合は、右耳の中が、小さい頃の炎症か何かの影響で未発達だそうで、その為なにかのきっかけで水がたまりやすい身体だということがわかった。
ここで耳が悪いというと戦後を代表する洋画家である松本竣介を思い出すが、私の場合は、単にストレスなどで水が溜まって、たまにめまいを起こすだけのなんだか中途半端なものである。
お医者さまからは、
「ストレスを溜めないように。」
「血流が大事なので運動をよくしたり、塩分を控え水をよく飲んでください。タバコはダメです。」
と、至極まっとうなアドバイスを頂き、私もホトホトめまいには懲りたので、それまでは一日一箱吸っていたタバコを、禁煙補助薬の力を借りすっかりやめた。
さらに血流には筋肉をつけなくてはいけないということで、少々の筋トレも始めた。
筋トレと言っても、美大時代、格闘技好きがこうじて、アトリエに筋トレ器具を持ち込み、制作の合間に身体を鍛えていたKさんの風上にもおけないちょっとやってます程度のものではあるが、おかげさまで、めまいはスッカリなくなった。
そして最近は、サウナがめまいや自律神経に良いと聞き、サウナを始め、すっかりハマった。
なんだかこう書いてくると、ジムブームにノり、その後サウナブームにまんまとノるという、自分の全くないミーハー人間のようだ。仏教的には無私に至るは涅槃も近くて良いのかもしれないが、絵描きとしてはどうなんだろう?などと考えながら、尊敬する彫刻家の舟越保武さんの随筆を読んでいたら、美術家同士で釣りに出かけるような同好会をしていたようで、「ああ、これは良いなぁ」と、はたと思った。
「美術家サウナの会」
ただ、ほうぼうのサウナに行って、その後、みんなで酒を呑むだけの会。
いつか実現したいものだ。
コロナよ、早く終わってくれ。
サウナ好きの美術家の皆さま、よろしければ私も同好の士に加えてくださいませ。