誰にでもあるだろうかお気に入り。
私にはお気に入りの文具がある。
中学の入学祝いに祖父からもらったCROSSのシャープペンシルと、同じく中学の入学祝いに父からもらったモンブランの万年筆。
CROSSのシャープペンシルは、当初シャープとは名ばかりな0.9という芯の太さに12歳の私は驚いたが、適度な弾力のある書き心地が大好きで、中学・高校のノートは、常にこの一本だった。
セットであったボールペンはどこかに行ってしまったし、クリップ部分の金属は使いすぎて、いまではボロボロだ。
また、モンブランの万年筆は、当初、私のような左利きには、インクが出なくなったり、紙に引っかかって紙が破けたり。大人の筆記具はなんて使いづらいんだと難渋していた。
ただ使い続けてみると、ペン先が私の左利きに馴染んだのか?インクもスムーズ、書き心地も柔らかくなった。
どちらも長年の使用で痛んでいる。
最近は、もっと使い勝手が良い三菱のジェットストリームもよく使う。
ただお気に入りは思い出とともにあったりする。
私の祖父は、民芸こけしが大好きで、単なる1コレクターの枠を超えて、民芸こけしの会をやっていた。
シャープペンシルを見るたびそんな今とは関係のない思い出を思い出し、たまには祖父の名前を検索して、懐かしく思ったりもしている。
お気に入りは、縁あって過去に私の手元に来てくれたモノ。
様々な思い出と、共にある。