図A 「戦後53年日経平均月足チャート (等差チャート)」2017年 (最終閲覧日:2018年5月4日) http://www.kabuchart.com/index.php?戦後53年日経平均チャート |
このバブルの最高潮にまで駆け上がる1950年からの日経平均株価(図A)を眺めていると、私には出来高のビル群の上を舞うメカ龍に見えてくる。
ここ何年か後学のため、自分なりに小遣いで株を始めてみたり、財務や経営、経済の本を素人なりに読んでみた。
知れば知るほど、考えれば考えるほど、この資本主義というものは、不思議なシステムだ。
資本家の投資が始まった時点で、拡大成長は必須のものとなり、貨幣で取引できるものを人々は探すようになる。
現状を超えるよう常に求められる。
まずは物を生産し、合理化し、廃棄を前提に大量生産するようになる。
大量生産により必要以上に生産された生産物の廃棄も、いつしか市場に組み込まれていく。
物をやり取りしていた貨幣が、サービスをやり取りするようになり、いつしかイメージや情報そのものをやり取りすることになった。
市場は常に拡大する道を探し、破壊を繰り返す。
多くの人を幸せにするはずの社会システム。
合理化と拡大成長が必須の未来に、人間はいるのだろうか?
矛盾を表現するメカ龍に、これ以上のモチーフはないと私は思う。
私は今、
大阪万博のあった1970年から、日経平均株価がバブル期最高潮に達する1989年までのチャートの形を元に、昇りメカ龍を描いている。
出来高を模したビル群では、その年に建った建物がメルクマールだ。
この作品から、未来の営みを考え続けてみたい。