2018-12-25

予期



日経平均株価が急落している。


《Nikkei 225 index of 1970-1989》 2018年 182×364(cm) 岩絵具,水干絵具,墨,箔,泥,樹脂膠 撮影・島村美紀 


私は矛盾ということをテーマに、メカ龍を描き、未来への想いを描いてきた。
小さな頃から流れを感じたり、未来に起こることを予期することが比較的得意で、好きな子供だった。

2009年、私はこのままだと来るであろう北朝鮮のミサイル危機を感じ、《神話》という作品を描いた。

2018年初頭、現在の株価の上昇に不自然さを感じた私は、同じ不自然な動きをしていたバブル期の株価を元に《Nikkei 225 index of 1970-1989》を描いた。



私はいつも未来を描いている。

矛盾ある世の中で、単なる一元化した弱肉強食と合理化だけではない未来を、矛盾を矛盾のまま受け入れる寛容さを、と私は思う。
景気後退を懸念するニュースを聞きながら、予期は夢想となることを願ってやまない。

2018-12-17

石井林響展と、秋野不矩と、おばあちゃん先生と。

千葉市美術館、石井林響展へ



石井林響は、私が子供の頃に通った絵画教室でお世話になったおばあちゃん先生のお父上。

おばあちゃん先生に、私が日本画を志していると話したら、
自分の父が日本画家であったことや、石井林響の弟子であった秋野不矩さんのことを、フクちゃん。フクちゃん。と呼んで、
「フクちゃんには、子供の頃よく遊んでもらったのよ。」

と、懐かしそうに話をされていたのが、昨日のように思い出される。



さて、肝心の展覧会。

石井林響は、晩年の南画風味が強くなった頃の作品を、どこかのコレクション展などで、一点二点しか私は見たことがなかった。

しかし、まとまった流れで俯瞰すると、非常に若い頃から器用な作家で、構図の基礎も若いうちからしっかりとしており、晩年に独自の画風として、朦朧とした風景画が現れてくるのが、必然であるのがよくわかった。

流れで見せてもらうと、晩年の作品の考え方や見方がハッキリと見えてくる素晴らしい展覧会だった。

尊敬すべき貴重な先人は改めて多いと思う一日。

おばあちゃん先生の墓参りにまた、訪ねたい。